明日は我が身か?婚活大国日本!映画「後妻業の女」の秘密

2016年8月27日に映画「後妻業の女」が劇場公開します。
主演は大竹しのぶ。共演には豊川悦司、尾野真千子、笑福亭鶴瓶、永瀬正敏、風間俊介、長谷川京子、余貴美子ほか、そうそうたる実力派俳優陣が顔を揃えています。
メガホンを取ったのは、ドラマ界で数々の賞を受賞してきた鶴橋康夫監督です。
夏休みはアニメや少女漫画の実写化映画ばかりで「観るものがない!!」をお嘆きだった大人の皆さん、お待たせしました!
映画「後妻業の女」は酸いも甘いも知り尽くした大人のためのコメディードラマです。
超豪華俳優陣が繰り広げる愛とお金と色欲の“ドタバタ人間喜劇”の魅力を映画公開に先駆けてご紹介します。

タイトル:「後妻業の女」
2016年8月27日(土)TOHOシネマズ 日劇ほかにて全国ロードショー
配給:東宝
公式サイト:http://www.gosaigyo.com/

あらすじ紹介

後妻業

「武内小夜子、63才、好きなことは読書と夜空を見上げること・・・私、尽くすタイプやと思います。」
と結婚相談所主催のパーティーで可愛らしいおっとりした口調で自己紹介する小夜子(大竹しのぶ)に男たちはメロメロ。その内の一人の高齢男性・耕造(津川雅彦)と結婚した小夜子は幸せな夫婦生活を送っていた、はずでした。2年後、耕造は亡くなり、葬儀の場で耕三の娘・朋美(尾野真千子)と尚子(長谷川京子)は小夜子から遺言公正証書を突き付けられ、唖然とします。なんと小夜子が耕造の全財産を相続するというのです!納得のいかない朋美が友人のツテを頼りに探偵・本多(永瀬正敏)に調査を依頼したところ、衝撃の事実が発覚します。小夜子は数々の裕福な高齢男性の後妻に入り、財産を奪ってきた“後妻業の女”だったのです!しかもその背後で糸を引くのは結婚相談所の所長・柏木でした。朋美と本多が何とか小夜子を追及しようとする中、小夜子はターゲットを次の男性・不動産王の舟山(笑福亭鶴瓶)に移します。舟山と初めて会話した柏木は舟山が自分と同じカタギではないことに気付き、小夜子に手を引くように忠告します。しかし、小夜子は舟山を本気で愛してしまっていて・・・そこに小夜子の放蕩息子や柏木のホステスたちも絡み出し、様々な思惑が交錯し合います。愛とお金と色欲と執着と・・・最後に全てを手にして笑うのは誰だ!?
直木賞作家・黒川博行の小説「後妻業」を映画化した愛とお金のパーフェクト・エンタテイメントです。

大竹しのぶ vs. 尾野真千子の仁義なき戦い勃発!

まあいいか

Huluオリジナルドラマ 「フジコ」 オリジナル・サウンドトラック(仮)

主演は数々の舞台や映画で賞歴を誇る実力派女優の大竹しのぶです。普段は独特の話口調と天然発言で頼りない印象の大竹さんですが、女優モードに切り替わるとその表情は一変します。憑依型女優と呼ばれ、振り切った迫力ある演技で観客を魅了してきた彼女はまさに竹内小夜子にピッタリ!男性ごとに顔を使い分け、裏表のある変幻自在な女性を、軽妙に、そしてとことん人間臭く演じています。
尾野真千子演じる小夜子の9番目の夫の次女・朋美は、小夜子に初めて会った時から彼女を胡散臭い存在だと感じています。しかし、確信が掴めぬまま仕事が忙しく父親にかまっていられぬ内に父の耕造が死亡。父親が亡くなった途端、小夜子の態度が一変します。「どこででも訴えればいいわ。」とばかりに開き直る小夜子に朋美はブチキレ、居酒屋で取っ組み合いの大喧嘩に!
この二人の取っ組み合いがまた凄いのです!
長回しで撮っているのですが、水はかけるわビンタしまくるわ髪を引っ張り合うわ、関係ない客まで巻き添えで蹴飛ばすわで、二人の全力ぶりがハンパないんです。
尾野さんは当初の台詞にはない「クソババア!」という台詞を思わず大竹さんに言ってしまい、カットがかかった後に、手が震えながら「私、クソババアって言った?」と大竹さんに聞いたそうです。実力派女優二人が我を忘れるほどの演技を見せた迫力のシーンを見逃すわけにはいきませんね!

後妻業って犯罪なの?

この映画の主題である「後妻業」とは、一言で言えば、裕福な高齢男性の後妻となり、財産を奪うことを生業としていることです。
劇中で、小夜子は朋美から「民事で訴えるし、記者会見もしてやる。」と言われますが、逆に「テレビで出られるの?」と何のその。焦るのは、柏木のみといった始末です。
それもそのはず。訴えられ、記者会見をされて困るのは結婚相談所を経営している柏木だけで、小夜子が「後妻業」をしていようがしていまいが、事実、結婚という形を取っているので、結婚詐欺には該当しません。耕造に毒物を持ったり、直接手を下したりしている証拠もないので、傷害罪・殺人罪にも該当しません。警察も高齢の男性が明確な死因がなく亡くなった場合は、ほとんどが事故死、病死という形で処理されてしまうのが実情です。
まさに犯罪の隙を突いたグレーゾーンなのが「後妻業」なのです。
また、「後妻業」の被害に遭い、遺産を全て持っていかれてしまった家族側も、そんな女性に引っかかってしまった父親のことが世間に知れたら一族の恥になると考えてしまったり、ご近所に笑われるという恐れから、被害届も出しにくいそうです。それに加えて、自分たちが生前、父親に構わず、介護をしなかったという負い目から、大手を振って訴えにくいというのが現状のようです。
映画を通して感じたのは、普段から家族や親せきとの絆を強く持ち、両親を大切にし、ないがしろや後回しにしないということが、小夜子のような後妻業に付け込まれない唯一の道なのだと感じました。

こんな男性は要注意!!

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後妻業のターゲットになるのは「多少なりとも資産がある」「持病がある」「真面目で誠実な男性」です。昨今、高齢化が進み「シニア婚活」の場では、一人の裕福な男性を巡って、後妻業同士が取り合うなんてこともあるようです。小夜子クラスの「後妻業のエース」ともなると、二股三股を同時進行させて後妻業をやるなんてことも。結婚しなきゃならないのにどうやるの?と思ったあなたは、その驚きの答えは映画の中にあります。
後妻業の女がターゲットを惚れさせることに成功したら、次は裁判に有利な行動に移ります。結婚前であろうとも家財道具をターゲット宅に持ち込み、住民票を移し、ご近所に挨拶回りや自治会などに顔を売ります。そして、裁判で効力が高いとされている「遺言公正証書」を自分の都合の良いように書かせたら、あとはターゲットが亡くなるのを待つだけ。
女性は普段から用心深く、自身が死んだ後も我が子に苦労させたくないと遺産を残そうとするので、このような詐欺には引っかかりにくいのですが、男性は高齢になっても「自分より若くて美しく気立てが良くて、スキンシップも見込める」など女性に求める条件にキリがなく夢見がちなので、小夜子のような美しく可愛らしい女性に「私、尽くすタイプやと思います。」なんて言われたら、騙されているのかも知れないと思いつつも惹かれてしまい、気づいたら家財道具を持ち込まれていたなんてことになるのでしょうね。
そんな小夜子の鮮やかな手口は是非映画館でご覧ください。

高齢者の婚活事情

現在日本では晩婚化が進んだことを背景に、若者たちの間で街コンや婚活パーティー、相席飲み会と出会いの場が多く設けられ、誰でも自ら結婚に向けて動き出さなければ結婚するのは容易ではない時代に突入しつつあります。
それに勝る勢いで市場を広げているのがシニア婚活です。
シニア世代の高齢者専門の結婚相談所では、ハイキングやクッキング、お花見などのイベントを通して自然と仲良くなれるよう若者向けの結婚相談所にはないサービスも多数提供されています。
若者と違い、シニア世代の婚活はカップル成立率が高いのも特徴です。
お互いがパートナーと離婚や死別など一度は結婚生活を経験しているため、冷静に自分の条件に合った相手を見つけることができるからです。
また高齢者同士のカップルの場合、籍は入れずに「事実婚」や「週末婚」の形と取ることも多いです。
これは遺産相続問題や、お墓の問題、長年の生活習慣を変えたくないなどの理由が挙げられます。
しかし、一番の理由はやはり「老い先短い人生、一人きりでは寂しい。」というのが男女ともにパートナーを探す理由だと思います。
とはいえ、小夜子の歴代の夫たちのように小夜子の日常生活や家事能力を見ずに、可愛らしい外見と言葉だけを信じて結婚してしまうのは余りにも危険ですので、相手がどのような人物か、信頼できる情報筋があるのか、きちんと見極めることが大切なのですね。

後妻・小夜子 vs. 娘・朋美、最後に笑うのはどっち!?

首尾よく9番目の夫・耕造の遺産を巻き上げ、ターゲットを不動産王・舟山に移した小夜子と柏木ですが、朋美が元刑事の探偵・本多を雇ったことで徐々に形勢が悪くなっていきます。
本多が綿密に小夜子と柏木の過去を調べ上げ、彼らが過去の夫たちから遺産を得るために危ない橋を渡ってきたことがバレてしまったのです。
本多は調べ上げた情報を朋美に渡すのかと思いきや、「情報をお金と交換してやる。」と小夜子たちにお金を要求。
朋美には小夜子を逮捕できるだけの証拠が入らず、万事休すかと思いますが・・・。
一方、舟山を本気で愛し始めてしまった小夜子ですが、今回もいつも通りにプロポーズをもらって結婚と考えていたのですが、こちらも思わぬ展開が待ち受けていて・・・。
さらに、小夜子の放蕩息子・博司までもがこの後妻業バトルに加わり、事態はどんどん複雑化していきます。
最後に笑うのは小夜子か?朋美か?はたまた予想外の人物が一発逆転するのか?
誰も予想できない驚きのラストが待ち受けています!

いかがでしたか?
映画「後妻業の女」は今の日本の世相を反映した社会派ドラマであるとともに、「人生最後の一花咲かせたい!」と願う男たちと「最後に残るのはお金と安定した生活よ!」という後妻業=女たちの永遠に終わらない男女の駆け引きを描いた作品です。
登場人物たちは皆、とことん人間臭く、欲に正直で、だからこそ悪行をしている小夜子さえも愛おしく感じることができます。
笑い転げた後に、現代の核家族化の中で、どう家族と向き合っていくか?絆を築いていくか?を改めて考えさせられる作品ですので、是非、ご夫婦や親子で映画館へ観に行ってみてくださいね。

(文 / Yuri.O)