miss A スジ待望の最新作映画「花、香る歌」4月23日劇場公開!魅力総まとめ!

2010年に映画「建築学概論」で韓国映画界に新風を吹かせ、瞬く間に韓国のみならず世界中にファンを増やしたアイドルグループ miss Aのスジの最新作、映画「花、香る歌」が2016年4月23日に劇場公開されます。本作は、挑戦の伝統芸能【パンソリ】の初の女流唄い手であるチン・チェソンの、歴史に翻弄された波乱の人生を描いたもので、同じ歌手ながらアイドルのスジとは全く違う顔、歌声を聴くことが出来ます。今回は、芸術作品としても非常に完成度の高い映画「花、香る歌」の魅力に迫っていきます。

映画のあらすじ

1867年、朝鮮時代末期。母を亡くした少女チェソン(スジ)は、偶然にも村で耳にした【パンソリ】で唄われていた悲運なヒロインに自らの人生を重ねて感銘し、唄い手になることを決意します。当時は、女性が唄うことは禁じられていましたが、諦めきれないチェソンは性別を偽り大家ジェヒョ(リュ・スンリョン)のもとで修業を積みます。ある日、時の権力者・興宣大院君(キム・ナムギル)が主催した宴に危険を冒して臨むことになりますが・・・。

最後まで夢を信じる少女と命がけで支え【パンソリ】の全てと愛について教えた師匠。そして、ふたりの運命を握る絶対的な権力者。伝統芸能【パンソリ】初の女流唄い手、チン・チェソン。波乱の人生を送ったひとりの女性の真実の物語が、いま美しくスクリーンに花開きます。

タイトル:「花、香る歌」
2016年4月23日(土)シネマート新宿ほかにて全国ロードショー
配給:CJ Entertainment Japan
公式サイト:http://hanauta-movie.jp/

【パンソリ】って何?

パンソリ—春香歌・沈睛歌他 (東洋文庫 409)

1980年代の朝鮮が百済、高麗、新羅と呼ばれていた時代から伝わる伝統芸能で、一人の唄い手が鼓手の拍子に合わせて、「唄(ソリ)」「言葉(アニリ)」「身振り(ノルムセ)」を織り交ぜながら、物語を歌い語っていくものを「パンソリ」といいます。「パンソリ」は、「パン(広場)」と「ソリ(歌)」の合成語で、「ソリ」は「音楽」、「パン」は、「色々な人々が集まる場所」のことを指し、「パンソリ」とは、「多くの聴衆が集まった遊びの場で唄う歌」という意味です。日本でいう能を、もう少しカジュアルにした感じの伝統芸能です。

18世紀に原型ができ、元々は、祭りや市の日などに村の広場で大道芸の一つとして演じられる貧しい民の為の音楽でしたが、その後、支配層である両班や権力者たちが自宅の庭や座敷に唄い手を招くようになり、物語の内容も、権力者たちの嗜好に合わせて、漢詩や故事成語などが多く用いられるようになりました。19世紀中頃までは、人気の高い演目が12本ほどありましたが、次第に失われ、現在は、劇中に出てくる「春香歌」「沈清歌」と、「興甫歌」「水宮歌」「赤壁歌」「ピョンガンスェ歌」の6演目が上演されています。

公演スタイルとしては、一人の唄い手が物語を語っていく“独唱”スタイルと、登場人物を配役し、ミュージカル仕立てにした“唄劇”スタイルがあります。劇中では、どちらのスタイルも聴くことが出来ますが、チェソンが生きていた時代は、男子のみがその唄い手となることが許され、女性が唄うのは、禁じられていました。「パンソリ」はその独創性と優秀性が認められ、2003年にユネスコ世界無形遺産に選定されています。

miss A スジの待望の最新作!

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本作の主人公は、韓国で大人気のアイドルダンスグループ・miss Aのメインボーカルを務めているペ・スジが演じています。
女優としてはスジ名義で活動し、数々の韓国ドラマに出演、日本でも公開された映画「建築学概論」では、ヒロインの若い頃を演じ、その純粋さと淡い切なさを併せ持った演技に韓国のみならず日本の映画ファンを虜にし、本国では「国民の初恋」と呼ばれるようになりました。「世界で最も美しい顔100人」でも、2013年に14位、14年に11位にランクインするなど、世界も認めた美少女女優さんなのです。スジは、元々歌手ですが、【パンソリ】の独特な歌い方を習得するために一年間特訓を積み、本作では、全て吹き替えなしで唄っています。

本作のメガホンを取ったイ・ジョンピル監督は、最初、【パンソリ】の唄い手を起用することも考えたそうですが、この映画で大切なのは「金枝玉葉」(この上なく大切な子(大切なもの)という意味。)で、イ監督の求める「ヒロインの大事にしても大事にしても足りないくらい貴重な女の子」というイメージが、スジと重なったとインタビューで語っておられました。本作の劇中でも、スジの純粋さと淡い切なさは健在で、彼女から発せられる【パンソリ】の調べは、物凄く上手というわけではありませんが、唄にしっかり感情が乗せられていて、胸に迫るものになっています。クライマックスの命がけの勝負での【パンソリ】のシーンで唄う「春香唄」で魅せるスジの澄んだ歌声は必見です!

脇を固める実力派の俳優陣

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主人公のチェソンに【パンソリ】の全てと愛を教えた師匠役に、映画「光海、王になった男」「7番房の奇跡」など出る作品が次々ヒットしている名優リュ・スンリョン。スンリョンは、立身出世の野心と己の中の理想との矛盾を抱えながらも、愛弟子のチェソンへの複雑な想いに揺れるという難しい役柄を見事に体現しています。

そんなふたりの運命を握る時の権力者・興宣大院君は、映画「パイレーツ」「無頼漢 渇いた罪」などのキム・ナムギルが演じています。日本でも放送されたドラマ「善徳女王」で善と悪が共存するピダム役を演じたことで、その美形ぶりと流し目にハマる女性が続出したイケメン俳優です。彼が、時の権力者の興宣大院君を、圧倒的なカリスマ性と存在感を持って演じていて、3人が見事なアンサンブルとなっています。

伝統芸能って実はスポ根!?

《韓国》パンソリ

1860年代に初めて「パンソリ」の学舎を開いたチェソンの師匠にあたる大家ジェヒョ。劇中では、ジェヒョが、学生たちに唄の指導をする様子が描かれていますが、これがまたハードで運動部かと思うほどなんです。お腹から声を出す為、自らの体を太い縄で縛りつけ、縄を引っ張りながら絶叫したり、大きな滝の麓に行き、滝の音に負けない声を出す為に叫んだり。チェソンが唄う場面では、「感情がこもってない。足りない。」とそこらへんに生えていた長い草を引っこ抜いて、ビシバシ叩く場面も。

日本でも、舞台監督などが、役者の演技に不満があると、灰皿を投げるなどの話を聞くことがありますが、どこの国も、スポーツ界に負けないくらい伝統芸能の世界もハードなんだなぁと思ってしまうシーンでした。しかし、そういう苦労を共に重ねた仲間たちが、初めは「女にパンソリは無理だ。村に返そう。」と言っていたのに、クライマックスでは、命を懸けた舞台で共に唄ってくれるまでの絆が生まれ、スポ根映画に負けないくらいの厳しい練習、師弟愛、仲間の絆を観ることが出来る感動必至の作品に仕上がっています。

命を懸けた壮大なストーリー

スジ演じる主人公のチン・チェソンは、朝鮮が百済と呼ばれていた時代に、幼くして母親を亡くし、芸妓の女中として働きながら、村で初の【パンソリ】の学校を開いたジェヒョの元に男と偽り入門し、修行を積みます。そして、ジェヒョに女性であると見抜かれてからも「自分は唄いたいのだ。」と直訴します。この時代、男子にしか唄うことが認められていなかったものを「唄いたい!」と直訴することも凄い勇気ですし、タブーを破って彼女を受け入れた師匠のジェヒョも、覚悟がなければ出来なかったことだと思います。

その後、両班の元で【パンソリ】を披露する機会があり、チェソンが女性とバレてしまい、ジェヒョは責任を取って、投獄されてしまいます。両班からの後援も打ち切られ、たくさんいた門下生も、3人しか残らなくなってしまいます。しかし、ジェヒョは、それにもめげず、今度は、残った門下生とチェソンを連れて、修行の旅に出るぞと村を出ます。それから、スポ根顔負けの厳しい修行の連続です。そして、実力を付けたチェソンたちは、時の権力者・興宣大院君が開く落成式の宴で、チェソンをヒロイン役に据えて「春香歌」を、唄うことに。興宣大院君が、チェソンの出演にあたり、出した条件は、「女性の唄い手として民衆に認められ、宴で優勝出来れば、立身出世。出来なければ、ジェヒョもチェソンも打ち首。」というまさに命懸けの大勝負に臨むことになったのです。

物語を彩るのは、シネマスコープで映し出された扶安、安東、水原などの絶景。そして、実際に百済時代の王室の池だった扶余の宮南池で撮影が行われた華やかな落成式の宴のシーンはとても美しく、その中でチェソンの歌声が澄み渡り、観る者の心に残るクライマックスシーンとなっています。

いかがでしたか?
映画「建築学概論」で「国民の初恋」と呼ばれたスジの二作目は、実在した女性初の【パンソリ】の唄い手・チン・チェソン。
どちらもmiss Aの時とは別の顔を見せていて、本作では、吹き替えなしで、【パンソリ】にも挑戦しています。女優として、まさに挑戦真っ只中のスジの今後の作品に期待したいですね。また、本作「花、香る歌」で、歴史的世界遺産である【パンソリ】に触れたことで、韓国映画の良さを再認識しました。唄とともに生きた稀代のヒロイン・チン・チェソンの運命に心震える逸作となっているので、是非劇場でご覧ください。

(文 / Yuri.O)